=====ヒートアイランドについて=======
ヒートアイランドという言葉をよく聞く、これは温度の等高線が都市部では島(山)のように中央部が高く周辺が低くなっている状態で
ビルの壁面や道路などが太陽熱で蓄熱することが主な原因でエアコンに室外機による多量の熱排出が加担している
地球温暖化は地球規模の対策が必要であるがヒートアイランドは局地的な対応で効果が期待できる
環境の熱的快適さには気温、湿度、風、放射の4項目が関係する。
外部空間の気温や湿度、風などをコントロールすることは非常にむずかしが放射環境は人為的コントロールがしやすいといわれている
MRT(平均放射温度)という指標がある。これは対象場所へ各面から放射される温度の平均値で暑さの体感指数ととらえることができる
たとえば日向と日陰では温度は等しいが日陰が涼しく感じるはMRTが低いからである。
MRTを減らす具体的な方法の一つは道路や壁面などを表面温度があまり高くならない材料にしていくことである
H.I.P.(Heat Island Potential)という指標がある
これは平均的な表面温度が気温よりどのくらい高くなるかの指標で
最大値は樹林ではほぼ0℃となり、芝生地で+10℃、アスファルトでは+30℃程度である(HIPは時間帯により変化する)
また建物の壁面温度もコンクリート面よりガラス面(内部冷房時)の方が低い
また高反射性の塗料を塗ることでHIPを抑えることができる
これを利用すれば道路面に塗布することで道路を芝生化したのと同程度の
効果が期待できるのだ(渋谷のスクランブル交差点にはこの塗料が塗られている)
保水性のある舗装材によっても同程度の効果がある
道路を全面高反射性の塗料で塗り、壁面は全面ガラス張りで室内は水冷式冷房で冷やせば
MRTを低くすることはできるかもしれないが
高反射性の塗料は照り返しがまずしすぎて不快であるし、冷房の電気消費は地球温暖化へとつながってしまう
環境への負荷を減らし、不快な要素を避けながらMRTを低減させることが重要である
植栽もMRTを減らす重要な要素であるが植栽位置によって効果が違う。
簡単に言えば日向に高木植栽をするとMRT低減に寄与するが日陰の高木はあまり効果がない
また熱しやすく冷めやすい素材を屋根材、壁材に利用すると日中の放射は増し夜間は下がる
逆に熱しにくく冷めにくい素材は夜間の放射が多くなる。
日中のヒートアイランド対策か夜間のヒートアイランド対策かによって対応も変わってくるのである
瓦などはコンクリートと比較すると熱しやすく冷めやすい素材だ
江戸時代は瓦屋根が江戸の町一面を覆いつくしていた。
創造だが江戸の町は日中結構暑くなったのではないだろうか
反面夜は今日ほど熱帯夜は多くなかったと思える
江戸庶民の生活も真夏の昼間のクソ暑いときは働かず、その分早朝、晩に働くといういたって合理的な方法で対応した。
環境負荷を抑え快適な生活を両立させていたのである
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