「公園」と「公苑」という言葉がある。
この違いについて気になったので調べてみた
今ではほとんどが「公園」という漢字で表現されているが
「公園」と「公苑」は区別されていたようである
本来の「公園」は庭園(Public garden)から発展したもので
狩場(Park)や、里山のような共有地(Common)の発展したものが「公苑」と呼ばれ区別されていた。
(英語で王室狩猟園をparkと呼ぶ)
要するに「公園」はgardenがルーツで「公苑」はparkがルーツとなる。
そもそも「園」という文字には、
「周囲に垣根がある果樹園」「野菜・花・草木を植えた畑や庭」等の意味があるようだ
先日、横浜の山手公園にいった。ここは「日本初の公園」という紹介がされていた
初めて制度として「公園」という言葉を行政的に使ったのは、1873年(明治6年)の太政官布達第十六号で、
その時飛鳥山、上野、芝、浅草、深川などの今まであった行楽地が日本最初の公園に指定された。
ちなみに日比谷公園は公園制度が出来てから初めて創られた大規模な公園で1903年に開園している
山手公園の開園は太政官布達の3年前の1870年である。
行政的な公園ではなかったが日本初のPublicgardenだったわけである。
しかし山手公園は一般人が自由に利用できる公園ではなかった。
この公園は外人居留地に作られた英国人のためのPubricgardenであり
日本人は立入り禁止であった(イベント時は有料で入場できたようである)
日本人が公園として利用できるようになったのは震災後の1929年からであり
その時も公園の半分はテニス倶楽部の会員しか利用できなかった。(この公園は日本のテニス発祥の地でもある)
そのため地元の人々には公園としての認識が少なく、会員制のテニス場と捕らえられているようであるが
その歴史性などが評価され2004年に文化財保護法による国の名勝に指定された。
「苑」という文字は、
「動物を飼う園」「物事が集中する所」「宮中のお庭」等の意味があるようだ。
「動物を飼う園」:馬事公苑、「物事が集中する所」神宮外苑、「宮中のお庭」:新宿御苑などの例があてはまりそうである。
蛇足であるが苑のついでに『なぜ焼肉屋には「○○苑」が多いのか?』という疑問についても調べてみた。
「苑=宮中のお庭」」ということで、朝鮮・韓国の人たちが、「お店が『苑』のように立派な場所になるように」
という願いから屋号に「苑」をつけたそうだ。

開園時の山手公園(テニス発祥記念館資料より)
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