桐の箪笥
=====CO2削減と植物=======
地球温暖化ガスの一つであるCO2を削減することが叫ばれている。
CO2を減らす(CO2を吸収する)となると思い浮かぶのは光合成ではないだろうか
「植物は光合成によりCO2を吸収し糖を生成し酸素を排出する。」ということはほとんどの人が知っている
という事で植物を植えれば生きている限り大気のCO2を削減しつづけると思っている人が多いようである
しかしこれは誤解である。植物は生命活動をするために糖を分解してCO2を排出している
ようするに植物も人間と同じように生きるために呼吸をしてCO2を排出しているのである。
違いは人間はエネルギーの元である糖を外部から食物として取り入れる必要があるが
植物は糖を光とCO2から合成することが出来るということである。
問題は吸収するCO2と排出するCO2のバランスだ。
成長期の樹木の場合は吸収するCO2の方が排出するCO2より多いため結果として材として蓄えられて大きくなる
そして材の約半分が炭素の量となる(CO2量は炭素の約3.7倍で計算)
しかし老木になるとほとんど成長しない。これは吸収するCO2と排出するCO2がほぼ同じという事である
また枯れ枝なども多くなりそれが時間を掛けてCO2に分解されることを考えると排出するCO2の方が多くなる場合もある。
ようするに成長期の樹木はCO2削減に貢献するが成長期を過ぎた樹木はCO2の削減効果は期待できないのだ。
森で考えれば成長している森は大気のCO2を削減するが完成された森はCO2削減を期待できず
CO2により満杯になった貯蔵庫であるといえる。
次に森林を更新していく場合を考えてみると間伐して新しく苗木を植えればその苗木が生長する期間はCO2を吸収していくが
伐採した樹木の処理が問題になる。これを焼却処分すれば一気に大気中にCO2として放出してしまい
その分を数十年掛けて苗木が成長して補うということになる。
(ちなみにカーボンニュートラルという考え方があるがこれは化石燃料を燃焼する場合は単純に大気中にCO2を増やすが
植物などを燃やす場合はその成長時にCO2を吸収しているのでCO2の増加にはならないという考え方である。)
焼却ではなくその木が成長した期間より長期間利用していけば結果としてCO2の固定量は増える
女の子が生まれたら桐を植えその娘が成長し嫁に行くときに箪笥にして大切に利用していくなどというストーリーは
CO2削減としてもいい話なのかもしない。
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